マンション向け 地震防災BOOK発売

地震防災などの啓発活動に取り組む危機管理教育研究所(横浜市)代表の国崎信江さんが、マンションの管理組合や居住者向けの地震対策をまとめた本「マンションみんなの地震防災BOOK」を出版した。

 これまでの講演で参加者から「防災関連の本は一戸建て居住者向けの内容が多い」との指摘があり、「災害時にマンションが抱える問題にしっかりこたえたい」と執筆。管理組合や居住者が活用できる構成にした。玄関ドアが開かないといった過去の被害事例や、家具固定器具など事前の備えのほか、「エレベーターは使わない」のように地震後にしてはいけない行動と取るべき行動などを豊富なイラストで分かりやすく説明した。

 マンション全体で進める対策では、入居者名簿の作成や防災訓練、耐震診断、備蓄品の保管などを列挙。「第三者任せではなく、自分たちで何かを始めないといけないという意識を持ってほしい」との願いを込め、避難に必要なもののほか、設備の点検表や、各部屋の安否確認シートなど実際に役立つ付録も載せた。

 国崎さんは「マンションは地震に強いと思われているが、倒壊しなくても家具の移動・転倒やドア損傷による閉じ込め、配管や電気系統の被害、渡り廊下の落下など、さまざまな特有の被害がある」と指摘。「居住者が話し合って事前の対策を進め、減災につなげてほしい」と話している。

 186ページ、税込み1500円で、マンション防災サービスなどを手掛ける「つなぐネットコミュニケーションズ」から出版。問い合わせは同社電話03(3222)2121。